面積分

Fig. 6-3
Fig. 6-3

 S を Fig. 6-3 に示すように xy 平面への射影 \cal R を有する表裏のある面とします. S を表す式を z = f(x, y) とし, f は単一値で,\cal R において全ての x および y について連続であると仮定します. \cal Rn 個の領域 \Delta A_p,\ p = 1,\ 2,\ \dots,\ n に細分化し,各々の小領域の上に垂直な柱を立て,領域 \Delta S_p において S と交差させます.

  \phi (x, y, z) を単一値で S 上のあらゆる点で連続であるとします.次の和を考えます.

\displaystyle \sum_{p=1}^{n}\phi(\xi_p, \eta_p, \zeta_p)\Delta S_p \cdots(29)

ここで (\xi_p, \eta_p, \zeta_p)\Delta S_p 上の任意の点です.仮に n \rightarrow \infty の時各々の \Delta S_p \rightarrow 0 となるこの和の極限が存在するなら,結果の極限は \phi(x, y, z)S 上の 面積分 と呼ばれ,以下により指定されます.

\displaystyle \underset{S}{\iint}\phi(x, y, z)dS\cdots(30)

 およそ \Delta S_p = |\sec\gamma_p|\Delta A_p であるため,ここで \gamma_pS への法線および z 軸とのなす角であり,和 (29) の極限は以下のように記述できます.

\displaystyle \underset{\cal R}{\iint}\phi(x, y, z)|\sec\gamma|dA\cdots(31)

  |\sec\gamma| の大きさは以下で得られます.

\displaystyle |\sec\gamma| = \frac{1}{|\bold{n}_p\cdot\bold{k}|} = \sqrt{1 + \left( \frac{\partial z}{\partial x} \right)^2 + \left( \frac{\partial z}{\partial y} \right)^2}\cdots(32)

 そこで x = f(x, y)\cal R において連続(又は区間的に連続)な微分係数を有していると仮定すると (31) は直交系においては次の形で記述できます.

\displaystyle \underset{\cal R}{\iint}\phi(x, y, z)\sqrt{1 + \left( \frac{\partial z}{\partial x} \right)^2 + \left( \frac{\partial z}{\partial y} \right)^2}dxdy \cdots(33)

  S の式が F(x, y, z) = 0 の形で与えられる場合は (33) は次の形で記述することもできます.

\displaystyle \underset{S}{\iint}\phi(x, y, z)\frac{\sqrt{(F_x)^2 + (F_y)^2 + (F_z)^2}}{|F_z|}dxdy\cdots(34)

 その結果 (33) または (34) は (30) を評価するのに用いることができます.

 上記においては Sz 軸に平行ないかなる線も面 S とただ 1 点において交差するような面であることを前提としています.面 S がこのタイプでない例においては,普通 SS_1,\ S_2,\ \dots に分割してこのタイプにすることができます.そこで面 S 上の面積分を S_1,\ S_2,\ \dots 上の面積分の和と定義できます.

 この結果は Sxy 平面 における領域 \cal R への射影の時保持されます.場合によっては Syz または xz 平面に射影したほうが良いこともあります.そのような場合は (30) は (33) および (34) を適切に修正することで評価されます.