『清く正しい本棚』を作る

 最近,本棚を自作しております.その際の備忘録を兼ねて記事にしました.自作を思い立ったのはこの本を書店で偶然入手してからです.

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清く正しい本棚の作り方

 これまでは IKEA のビリーという多目的棚を 2 本使用していたのですが,構造が軟すぎて 1 本は既に崩壊してしまいました.生協で購入した棚も3本あるのですが,これは書棚に使うには奥行き 30 cm と深すぎます.最大でも A4 の書籍には 21 cm 程度の奥行きで十分と知ったのはこの本を読んでからでした.作者によると,家具屋の本棚の欠点には以下の7つが挙げられます.

  1. 天井まで届く高さのモノがない
  2. やたら奥行きばかり有り過ぎる
  3. 肝心の棚板がほとんど太鼓作り
  4. 不要なガラス窓や扉などが付く
  5. そのくせ裏板の強度に不安有り
  6. 上等な品物ほど派手で悪趣味だ
  7. 息の長いロングセラー品もない

 1, 2, 3 については確かにその通りだと思います.作り方の詳細な手順まで掲載されていることもあり,自分にもできるのではないかと錯覚したのがそもそもの始まりです.

 本で埋め尽くされた書斎をどうするかといった本好きには切実な課題もあり,蔵書が数千冊もあるような状況ではないものの,やはり本の収納は頭の痛い問題です.市販の本棚ではもの足りず,かといって自炊代行は法的に問題があり,現状では最初から電子書籍を買うか,さもなくば本棚を自作するしかありません.

  1. 設計
  2. 材料
  3. 道具
  4. 組み立て・パテ盛り
  5. 研磨
  6. 塗装
  7. 背板の貼り付け
  8. 課題

1. 設計

 『清く正しい本棚』には床の積載荷重についての記述は一切ないのですが,本で床は抜けるのかなどを読むと床の積載荷重を考慮する必要がありそうです.一般的な住宅の場合は 180 kg/m2, 店舗では 300 kg/m2, 図書館では 600 kg/m2 が基準となっているようで,自宅を建てたハウスメーカーに問い合わせたところ,やはり 180 kg/m2 で設計しているとのことでした.

 よく考えてみると,『清く正しい本棚』の通りの設計だと床に接する面積は側板 2 枚の木端の面積に袴の面積を加えても 0.02 m2 しかなく,せいぜい 4.0 kg までしか載せられない計算になります.これでは本棚の自重すら支えられないということになりかねません.実際には数十 kg の重量がこの面積にかかるため,積載荷重を大幅に超えることになりそうです.しかし,本棚の接地面の形状はコの字型をしており,これを 1 枚と考えると 40 kg までは耐えられる計算になります.ここはフローリングの床がどこまで耐えるのか,経過を見る必要があるでしょう.

 設置場所は自宅 2 階のファミリールームです.床はフローリングで天井までの高さは 2,370 mm ですが,誤差を見込んで合計は天井高から 2 mm 短く設計することとします.南北方向に 3,000 mm ほどの西向きの壁があり,主にここに設置します.

 また床と壁との境には高さ 80 mm 厚さ 13 mm の幅木があり,天井と壁との境には高さ 45 mm, 奥行き 35 mm の廻縁があります.そのため側板を切り欠いてこれを避けることとします.また幅木と廻縁を避けた分,底板と天板の高さが変わるため高さ 80 mm の袴と高さ 45 mm の幕板でそれぞれ隙間を塞ぎます.

 エアコンが西向きの壁の最南端に設置されており,これを避けるためエアコン直下の本棚はエアコンのコンセントぎりぎりまでの高さとします.幸い高さ 1,820 mm でちょうどエアコンのコンセントを避けられそうでしたので,高さは合板から目一杯取ることにします.棚板の横幅については 600 mm が推奨されていますが,幅 770 mm のエアコンを避ける都合上,870 mm としました.背板は縦 1,740 mm, 横 912 mm としました.奥行きの内寸は木取りの関係で 200 mm としました.段数は 6 段とします.最下段は高さ 400 mm のワイド四切のアルバムを収納する必要があり余裕を持った棚割りとしました.これを 1 本目とします.

棚割り
用途 寸法
天板 21
6 段目 (A5) 220
棚板 21
5 段目 (A5) 220
棚板 21
4 段目 (A5) 220
棚板 21
3 段目 (A5) 220
棚板 21
2 段目 (A4) 305
棚板 21
1 段目 (W4) 408
底板 21
80
合計 1,820

 2 本目は南側の壁に設置し天井まで届かせたかったので,上置きを作ることとしました.棚板の横幅については右側の幅木および左側のカーテンレールを避け,誤差を 20 mm 見込んで 850 mm としました.こちらは新書・文庫を収納するもので奥行きを 145 mm としました.背板は縦 1,740 mm, 横 892 mm としました.上置きの背板は縦 503 mm, 横 892 mm としました.段数は合計 10 段とします.

上段棚割り
用途 寸法
幕板 45
天板 21
10 段目 (A5) 220
棚板 21
9 段目 (A5) 220
底板 21
合計 548
下段棚割り
用途 寸法
天板 21
8 段目(文庫・新書) 194
棚板 21
7 段目(文庫・新書) 194
棚板 21
6 段目(文庫・新書) 194
棚板 21
5 段目(文庫・新書) 194
棚板 21
4 段目(文庫・新書) 194
棚板 21
3 段目(文庫・新書) 194
棚板 21
2 段目(文庫・新書) 194
棚板 21
1 段目(文庫・新書) 193
底板 21
80
合計 1,820

 木取り図は下記のようになりました.

8stepW870
10stepW850

2. 材料

 設計が終わると次は材料と道具を揃えます.材料にはシナランバー合板,シナ合板,シナ共芯合板の 3 種類があると建具屋で教わりました.見た目の違いは木口に表れており,後者になるほど美しくなります.また硬さも異なっており,実際に組み立ててみて分かったのですが,シナランバー合板は柔らかく木ねじが利かない場合があります.実際に見積もりを取ってみると,サブロク 4 枚カット代込みでそれぞれ 28,000 円,36,000 円,54,000 円でした.今回は上図の木取り図を添えてシナランバー合板を建具屋に注文しました.

 建具屋に教わったのですが,組み立ての際には治具板(じぐいた)と呼ばれる補助の板をよく使うそうです.実際組み立ててみると,なるほどこれがとても役に立ちました.治具板の大きさは棚板の奥行きと棚の高さとし, 2 枚 1 セットで切ってもらいました.既に組み付けた棚板とこれから組み付ける棚板の間に挟んで位置がずれないようにするものです.

 その他,以下の材料が必要になります.

  • 木工用ボンド
  • コーススレッド (φ 4 mm)
  • 隠し釘
  • ウッドパテ
  • 塗装用マスキングテープ(幅 20 mm 程度)
  • 水性ペンキ
  • 刷毛
  • サンドペーパー (#120, #240)
  • 耐水ペーパー (#2,000)

3. 道具

 道具はホームセンターと 100 円ショップおよび Amazon で揃えました.私が購入した道具は以下のようになります.リストに挙げてはいませんが,掃除機は必須です.

  • 曲尺
  • シャープペンシル
  • 消しゴム
  • ドリルドライバー
  • 木工用ドリルビット (φ 3 mm, φ 4.5 mm)
  • 金槌
  • 釘〆
  • 七寸目鋸
  • サンダー・防振ゴム
  • 防塵マスク・ゴーグル
  • バケツ
  • 洗面器
  • タオル
  • ピッチャー

4. 組み立て・パテ盛り

 組み立ての方法は『清く正しい本棚の作り方』に詳しいので省きます.ここでは組み立て中に気がついたことを述べます.

 ドリルを使ってコーススレッドの直径よりやや大きいドリルビット,ここでは φ 4.5 mm ですが,で側板にバカ穴を穿ちます.なるべく低速回転のほうがバリは少ないようですが,捨て板を当てるのが正しい方法のようです.この時点で木屑が出ます.穴を穿った後,側板をどけて掃除機で木屑を吸引します.ついでにバリを掃除機で吸い取ります.

 側板と棚板の固定にはイモ付けと呼ばれる方法を用いますが,木工用ボンドを塗る前にコーススレッドを仮打ちして φ 3 mm のドリルで棚板に下穴を穿っておくとよいでしょう.コーススレッドの迷入を防げます.ドリルドライバーのクラッチを調整してトルクを強めにしたほうが空回りせず確実に締め上げることができます.

 側板に最初に取り付けるのは天板,次に底板です.棚板を 1 枚固定する手順としては以下が一連の作業になります.

  1. コーススレッドを仮打ち
  2. 棚板に下穴あけ
  3. ドリルビットからドライバーへ交換
  4. 掃除機で木屑を吸引
  5. 木工用ボンド塗布
  6. 側板と棚板を接着
  7. コーススレッドをねじ込み
  8. ドライバーからドリルビットへ交換
  9. 金槌で位置を微修正
  10. 木工用ボンドを拭き取り

 手順 5 は復帰不能点であり,これ以降は手順 10 まで遅滞なく行わなくてはなりません.文字通り『手が離せない』状態となります.妻が呼ぼうが来客があろうが,構ってはいられません.

 ドリルドライバーのドリルビットとドライバーを交換するのが手間でした.棚板の位置を決めるのに治具板があるのとないのとでは雲泥の差でした.私は 1 枚しか使いませんでしたが,場合によっては 2 枚使用してクランプで固定するなどすると作業効率が格段に向上すると思います.コーススレッドを締め上げてからでも金槌で棚板の位置の微修正はできます.ただ,金槌だと木に傷をつける可能性があるため,可能ならゴムハンマーが良いかもしれません.水を入れるバケツは大きい方が水が周囲に飛び散らずに済みます.10 L くらいあるとタオルを絞る時に両手がはみ出ないと思います.

 棚板を全て組み付けた後,同様の手順で反対側の側板をイモ付けします.金槌で棚板の位置を微修正し,はみ出たボンドを濡れタオルで拭き取ります.最後に袴を取り付け,釘を打って釘〆で釘の頭を木材に埋め込みます.

 組み上がったらバカ穴全てと木口の隙間にウッドパテを盛りつけます.ウッドパテを盛りつけながら,シナランバー合板ではなくシナ共芯合板ならこんなにパテを盛らずに済んだのかも知れないと考えこみました.

 ここまでの作業で午後半日です.この状態で丸一日ベランダで放置し乾燥させます.

Shelf1

5. 研磨

 研磨は 2 段階を経て行います.最初は # 120 のサンドペーパーによるパテ削りと角の面取り,次が # 240 による素地調整です.

 # 120 によるパテ削りは当初木片にサンドペーパーを巻いて手で行っておりましたが,側板 1 枚を終えたところで人力ではこれ以上無理だと判断しサンダーに切り替えました.『清く正しい本棚の作り方』では研磨作業が最もきつい工程だとさらりと書いてありますが,確かに研磨の全工程を手動でやるのはきつい作業になると思われます.全体として読者を煽るスタイルの文体ですが,この件については抑制的に書かれており,行間を読む必要があります.結論から言うと,サンダーを使ったほうが良いと思います.

 また,研磨時には呼吸器系の保護のため,防塵マスクを着用すべきです.呆れるほど大量の粉塵が出て,掃除機では吸引が追いつきません.集塵機が必要なのも頷けます.

 さらに,サンダーの使用時にはかなりの騒音が出ます.原理的に騒音の発生は避けられませんが,本棚の下には防振ゴムかラバーマットなどを敷いた方がよいでしょう.

 サンダーに装着するサンドペーパーはちょうど A4 を 3 等分した面積です.裏地の種類により紙やすり,布やすりなどあるようですが,耐久性を考慮して布やすりにしました.手で数回折り目をつけ,曲尺をあてて手で破ります.

 サンダーを当てる時は研磨面を上にすると都合が良いようです.サンダーの振動と自重とで適度に押さえつけながらも浮いているような感じになり,研磨面の滑りが良くなります.パテを削る際はサンダーの縁を回し当てるようにすると早く削れることも分かりました.

 角の面取りは一定速度で一方向にサンダーを滑らせると良いようです.後日談ですが,この面取りは組み立ての前にカンナを用いると効率よく行えます.面取りの後は木口の部分を中心に研磨します.目違い払いや木材の切断面のバリ取りもこの時点で行っておきます.

 サンダーに装着したサンドペーパーは残り 4 面を研磨するのに全体で A4 全部使うこともありませんでした.側板 1 面を手動で研磨するのに A4 1枚全て使ったのに比べても経済的です.最後に本棚を乾拭きして粉塵を落とし,屋内に搬入して保管します.ベランダに掃除機をかけて大量に飛び散った粉塵を掃除しておくのも大事な後始末です.乾拭きに使ったタオルも水で洗っておきます.ここまでの作業時間は 2 時間です.この日はここで日没となり,作業を終了しました.サンダーの振動で手が痺れました.

 # 120 の研磨の後は # 240 による研磨です.天気の良い日の夕方,ベランダに本棚を出しました.本棚の下には端材を敷きます.サンドペーパーを 3 等分してサンダーに装着し,上面,一方の側板,下面,他方の側板,木口の順に本棚の向きを変え,研磨します.向きを変えるのは前述した理由によります.一定速度で数往復させると明らかに手触りが滑らかになります.木口は特に重要なので新しいペーパーに交換しました.袴も忘れずに研磨します.木口の研磨が終わった時点で日没となり,本棚を屋内に搬入しました.掃除機をかけてベランダに飛び散った粉塵を綺麗にしておきます.

 研磨が終わった本棚の表面には粉塵が付着しているため,固く絞ったタオルで水拭きします.タオルを幾重かに畳み,次々と面を替えて拭き上げていきます.本棚の全ての面を拭き終わる頃にはタオルの両面が粉塵だらけになります.バケツの水でタオルを洗い,この日の作業を終了しました.この日は 1 時間かかりました.

Shelf2

6. 塗装

 塗装は順序を考慮する必要があります.最初は木口,次はどの面でも良いのですが,本棚を一定の方向に 90 度ずつ回転させながら塗装する必要があります.木口を最初に塗装するのは塗料の液垂れを次の塗装でカバーするためです.やってみると分かるのですが,板と板の境界に貯まる塗料は液垂れの原因になります.あまりたっぷりとつけない方が良いかもしれません.

 下塗りから上塗りを 3 回行いましたが,塗装には午後いっぱいかかりました.当日は気温が低いうえに湿度が高く塗料がなかなか乾燥しないため,ドライヤーで乾燥させました.ドライヤーの使用は功罪があり,乾燥は早いものの液垂れの原因にもなりました.塗料を薄めすぎたのか,木工パテへの塗料の乗りが良くなく,遠目からでもパテの色が見えていました.塗料が乾燥した後,#240 のサンドペーパーを掛けておきます.細かい粉塵が出るため,硬く絞った濡れタオルで水拭きしておきます.

 塗装後のサンディングですが,やがてペーパーにダマができてきます.このダマが曲者で,均一なサンディングの支障になるため早めにペーパーを交換する必要があります.サンダーのスポンジ面は柔らかく,同じ箇所ばかり使用していると跡がつき,サンディングが綺麗にならなくなることがあるようです.

 後日談ですが,塗装後のサンディングは手動になります.サンダーを使っていると分からないのですが,サンドペーパーはすぐに目詰りして使い物にならなくなります.本体 1 本につき A4 のサンドペーパーを 5/3 枚,上置き 1 本につき 1 枚消費します.具体的には A4 サンドペーパーを三等分したものを 1 片とすると,本体の一面につき 1 片,つまり 5 面で 5 片消費します.上置きは本体の半分程度の大きさなので 3 片で済みます.木口の研磨での消費が多く,本体も上置きも 1 片消費します.研磨に要する時間は本体 1 本につき 40 分,上置き 1 本につき 20 分です.研磨の際に指先を傷つけることが多く,手袋をした方が良いと思います.

 当初は塗料:水の比率を 1:1 にしていたのですが,この比率を 2:1 まで上げて塗料を濃くしたところ塗料の乗りは良くなりました.最後に #2000 の耐水ペーパーで水研ぎをします.

1 本あたり塗装・研磨コスト
本体 上置き
塗装 30 分 20 分
研磨 40 分 20 分
サンドペーパー 5 片 3 片

7. 背板の貼り付け

 背板を塗装する前に接着面にマスキングテープを貼って保護しておきます.構造上もっとも重要なのは,側板,天板および底板の四辺と背板との接着です.棚板との接合面は位置決めが難しいこともあり,マスキングテープは貼りません.

MaskingTape

 塗装は 2 回ほどにとどめ,塗装が生乾きのうちにマスキングテープを剥がします.木工用ボンドおよび釘で背板を接着します.背板は薄いためたわみやすく,釘を打つ間隔を短く取らないと浮き上がります.棚板一枚あたり 7 本打って完成としました.

Shelf3

8. 課題

 完成した後も課題は色々と見えてくるものです.

  1. ドリルの垂直が取れない
  2. ドリルの穿孔でバリが出る
  3. 袴の寸法を合わせるのが意外に難しく,間違えた際の修正が困難
  4. 塗料の刷毛への吸着の塩梅が難しく,板と板の境界で液垂れしやすい
  5. 家族の理解と協力が不可欠

 技術的な問題はある意味『お金で解決できる』問題であり,良い道具,慣れや訓練で改善可能でもあります.バリについては捨て板を兼ねた作業台を予め作っておいたほうが良かったのかもしれません.しかし,一番の課題はやはり家族の理解と協力ではないかと思います.建具屋に依頼すれば数十万円かかるものが数万円で手に入ることが自作の最大のメリットであり,ここはいくら強調しても強調し過ぎることはないでしょう.

 最後に,今回の自作で購入リストに挙がった道具を掲載しておきます.

 さて,前回黒ストローを用いて作成したハニカムグリッドは開口部が円形のもので,光量を効率よく利用できるものではありません.今回は 1 枚の黒ケント紙からハニカムグリッドを切り出す方法について述べます.

  1. 仕様
  2. 材料
  3. 組み立て

1. 仕様

 ヒカル小町のガイドナンバーはせいぜい 13 で実用に堪えるものではありませんでした.今回はもう少しガイドナンバーの大きなスピードライトを想定してハニカムグリッドを作成することにします.自作のソフトボックスなどに装着する用途を想定していますが,紙製ですので発熱による発火には注意が必要です.仕上がりのイメージは下記のようになります.

HexagonalColumn

 1 枚の平面から正六角形のグリッドを切り出すには下図のような展開図を描く必要があります.実線はカッターで切り込み,点線はそれぞれ山折りと谷折りを示しています.

HoneyCombColumnA4

 六角形の辺の長さにかかわらず,全体として長辺側は 4 分の 3 の長さになります.短辺側はグリッドの厚さにより高さが変わります.照射角は六角形の辺の長さとグリッドの厚さの比によって変わります.市販品だとグリッドの網の細かさ,つまり六角形の辺の長さを変えていますが,ここではグリッドの厚さを変えることにします.

2. 材料

 材料は以下の通りです.

  • 黒ケント紙 (A4)
  • 接着剤

 黒ケント紙は Amazon でも購入できますが,100 枚単位と個人で使用するには多すぎます.今回は画材屋で版画和紙を必要な枚数だけ購入しました.

3. グリッドの組み立て

 設計図を元に黒ケント紙に定規とカッターナイフで切込みを入れます.定規を使ってずれないように折り目をつけます.山折りと谷折りが交互にあります.

HexagonalColumnPreCut

 折り目を付けたら糊代に接着剤を塗布して貼付していきます.糊代がどこかは折り曲げれば分かります.紙で出来ているので正六角形にはなりませんが,これも数が多ければ平均されて実用上問題なくなります.

HexagonalColumnPostCut

 実際にカッターで切り込んでみると,グリッドをあまり細かくすることはできませんでした.加工精度の問題もありせいぜい一辺 2 cm が限度のようです.

参照:ヒカル小町と黒ストローを使ってハニカムグリッドを自作する

100円ショップとヒカル小町でスヌートを自作する