特殊な1階常微分方程式とその解

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 いかなる 1 階の微分方程式も次の形に置き換えることができます.

\displaystyle \frac{dy}{dx} = f(x,y)

または

\displaystyle M(x,y)dx + N(x,y)dy = 0

そしてそれらの方程式の一般解は一つの任意定数を持ちます.様々な種類の 1 階微分方程式の一般解の発見には多くの特殊な装置が有用です.下記のリストにはその幾つかを示してあります.

  1. 変数分離法
  2. 完全微分方程式
  3. 積分因子
  4. 線形微分方程式
  5. 同次方程式
  6. ベルヌーイの方程式
  7. y について解ける方程式
  8. クレローの方程式
  9. その他の方程式

1. 変数分離法

 微分方程式が下記のようである場合は

\displaystyle f_1(x)g_1(y)dx + f_2(x)g_2(y)dy = 0

一般解を得るには g_1(y)f_2(x) \ne 0 で除し,積分します.

\displaystyle \int\frac{f_1(x)}{f_2(x)}dx + \int\frac{g_2(y)}{g_1(y)}dy = c

2. 完全微分方程式

 微分方程式が下記のようである場合は

\displaystyle M(x, y)dx + N(x, y)dy = 0

ここで \displaystyle \frac{\partial M}{\partial y} = \frac{\partial N}{\partial x}

 この方程式は次のように書き換えられます.

\displaystyle Mdx + Ndy = dU(x, y) = 0

ここで dU は完全微分方程式です.ゆえにその解は U(x, y) = c または同等の解として

\displaystyle \int M\partial x + \int\left(N - \frac{\partial}{\partial y}\int M\partial x\right)dy = c

ここで δx は y を定数とし x による積分を行うことを示します.

3. 積分因子

 微分方程式が下記のようである場合,

\displaystyle M(x, y)dx + N(x, y)dy = 0

ここで

\displaystyle \frac{\partial M}{\partial y} \neq \frac{\partial N}{\partial x}

 この方程式は次のように完全微分方程式に書き換えられます.

\displaystyle \mu M dx + \mu N dy = 0

ここで μ は適切な積分因子です.

 下記の組み合わせは積分因子を発見するのにしばしば有用です.

\displaystyle \frac{xdy - ydx}{x^2} = d\left(\frac{y}{x}\right)
\displaystyle \frac{xdy - ydx}{y^2} = -d\left(\frac{x}{y}\right)
\displaystyle \frac{xdy - ydx}{x^2 + y^2} = d\left(\tan^{-1}\frac{y}{x}\right)
\displaystyle \frac{xdy - ydx}{x^2 - y^2} = \frac{1}{2}d\left(\ln\frac{x - y}{x + y}\right)
\displaystyle \frac{xdx + ydy}{x^2 + y^2} = \frac{1}{2}d\{\ln(x^2 + y^2)\}

4. 線形微分方程式

 微分方程式が下記のようである場合,

\displaystyle \frac{dy}{dx} + P(x)y = Q(x)

 積分因子は次のように得られます.

\displaystyle \mu = e^{\int P(x)dx}

また方程式は次のように書き換えられます.

\displaystyle \frac{d}{dx}(\mu y) = \mu Q

解は以下のようです.

\displaystyle \mu y = \int \mu Qdx + c

または

\displaystyle ye^{\int Pdx} = \int Qe^{\int Pdx}dx + c

5. 同次方程式

微分方程式が下記のようである場合,

\displaystyle \frac{dy}{dx} = F\left(\frac{y}{x}\right)

 y/x = v または y = vx とします.すると方程式は次のようになります.

\displaystyle v + x\frac{dv}{dx} + F(x)

または

\displaystyle xdv + (F(x) - v)dx = 0

ここで Type 1 と同じになり,解は次のようになります.

\displaystyle \ln x = \int \frac{dv}{F(v) - v} + c

ここで v = y/x です.もし F(v) = v なら解は y = cx となります.

6. ベルヌーイの方程式

微分方程式が下記のようである場合,

\displaystyle \frac{dy}{dx} + P(x)y = Q(x)y^n,\ n \neq 0, 1

 v = y^{1 - n} とします.すると方程式は Type 4 に置き換えられ,解は次のようになります.

\displaystyle ve^{(1-n)\int Pdx} = (1 - n)\int Qe^{(1-n)\int Pdx}dx + c

 仮に n = 0 なら方程式は Type 4 と同じであり, n = 1 なら Type 1 と同じです.

7. y について解ける方程式

 微分方程式が下記のようである場合,

\displaystyle y = g(x, y)

ここで

\displaystyle p = y'

 方程式の両辺を x について微分すると次が得られます.

\displaystyle \frac{dy}{dx} = \frac{dg}{dx} = \frac{\partial g}{\partial x} + \frac{\partial g}{\partial p}\frac{\partial p}{\partial x}

または

\displaystyle p = \frac{\partial g}{\partial x} + \frac{\partial g}{\partial p}\frac{\partial p}{\partial x}

 そしてこの最後の方程式を解くと G(x, p, c) = 0 が得られます.必要な解は G(x, p, c) = 0y = g(x, p) の間の p を消去して得られます.

 その方程式を x について解くための類似の方法が存在します.

8. クレローの方程式

 微分方程式が下記のようである場合,

\displaystyle y = px + F(p)

ここで

\displaystyle p = y'

 この方程式は Type 7 に置き換えられ,解は次の通りです.

\displaystyle y = cx + F(c)

 この方程式もまた一般解のうち単解を有します.

9. その他の方程式

微分方程式が下記のようである場合,

\displaystyle (a) \frac{dy}{dx} = F(\alpha x + \beta y)\\\vspace{0.2 in}  (b) \frac{dy}{dx} = F\left(\frac{\alpha_1 x + \beta_1 y + \gamma_1}{\alpha_2 x + \beta_2 y + \gamma_2}\right)

(a)\alpha x + \beta y = v とすると,方程式は Type 1 に置き換えられます.

(b)x = X +h,\ y = Y + k とし,定数 h と k を方程式が Type 5 に置き換えられるように定めます.この処理は以下の場合,すなわち \alpha_1/\alpha_2 \neq \beta_1/\beta_2 の場合に限り可能です.仮に \alpha_1/\alpha_2 = \beta_1/\beta_2 の場合,方程式は Type 9(a) に置き換えられます.

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投稿者: admin

趣味:写真撮影とデータベース. カメラ:TOYO FIELD, Hasselblad 500C/M, Leica M6. SQL Server 2008 R2, MySQL, Microsoft Access.

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