逐次積分

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Fig. 6-1

仮に \cal Ry 軸に平行なあらゆる線が,せいぜい2点における \cal R の境界に接するなら, \cal R に接する曲線 ACB および ADB の等式をそれぞれ  y = f_1(x) および  y = f_2(x) と記述できます.ここで f_1(x) および f_2(x)a \le x \le b において単一値で連続です.この場合,二重積分 (3) を評価できます.領域 \Delta \cal Rx 軸及び y 軸に平行な直線でグリッドを形成し, \Delta A_k をそれに対応する面積とする長方形として選択します.ゆえに (3) は次のように記述できます.

\displaystyle \iint_{\cal R} F(x, y)dxdy = \int_{x=a}^{b}\int_{y=f_1(x)}^{f_2(x)}F(x, y)dydx = \int_{x=a}^{b}\left\{\int_{y=f_1(x)}^{f_2(x)}F(x, y)dy\right\}dx\cdots(4)

ここで( x を定数として扱い)括弧内の積分を最初に評価し,最後に x について a から b まで積分します.その結果 (4) は二重積分がどう評価されるかを示しています.それを2つの単独の積分という面で表現すると 逐次積分 と呼びます.

仮に \cal R において,2点で \cal R の境界に接する x 軸に平行ないかなる直線でも曲線 CAD および CBD の式は x = g_1(y) および x = g_2(y) と記述でき,同様に以下のことが分かります.

\displaystyle \iint_{\cal R}F(x,y)dxdy = \int_{y=c}^{d}\int_{x=g_1(y)}^{g_2(y)}F(x,y)dxdy = \int_{y=c}^{d}\left\{\int_{x=g_1(y)}^{g_2(y)}F(x,y)dx\right\}dy\cdots(5)

仮に二重積分が存在するなら (4) および (5) からは一般に同じ値が得られる筈です.二重積分を記述する際, (4) または (5) のいずれの形でも適切な方が用いられます.これを他には 積分順序の交換 とも呼びます.

\cal R が上図で表現した形でない場合は,この形 {\cal R}_1,\ {\cal R}_2,\ \dots に細分化します.ゆえに \cal R の二重積分は {\cal R}_1,\ {\cal R}_2,\ \dots の二重積分の和として見つかります.

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投稿者: admin

趣味:写真撮影とデータベース. カメラ:TOYO FIELD, Hasselblad 500C/M, Leica M6. SQL Server 2008 R2, MySQL, Microsoft Access.

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